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労働者派遣法「改正」に反対する会長声明2014年(平成26年)4月15日


1 政府は、2014年3月11日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「改正案」という。)を閣議決定し、同日、国会に上程した。そして、本通常国会において改正案を成立させたうえで、2015年4月から施行することを目指している。
2 この改正案は、@専門26業務の区別規制を廃止して、A無期雇用の派遣労働者であれば期間制限を撤廃し、B有期雇用の派遣労働者については、派遣労働者個人単位では同一の組織単位の派遣先への派遣可能期間は3年を上限とするが、派遣先単位では、3年ごとに過半数組合等の意見を聴取すれば、派遣労働者を入れ替えることで3年経過後も継続して労働者派遣を受け入れることができるとする。
そもそも、労働基準法が中間搾取を禁止するとともに、職業安定法も労働者供給事業を禁止していることからして、使用者が労働者を雇用する場合は直接雇用が原則であるべきことは明らかである。したがって、労働者派遣を認めるとしても、専門業務に対象を限定し、かつ、臨時的・一時的なものとして、常用代替を防止することが基本的な理念とされるべきである。
ところが、改正案は、無期雇用の派遣労働者であれば期間制限はなくなり、有期雇用の派遣労働者であっても、たとえ過半数組合等が反対しても、その意見を聴取するだけで、3年の制限なく派遣労働者を入れ替えることによって永続的な派遣労働の利用を可能にするものである。
このように、改正法は、常用代替防止という基本理念に真っ向から反するものである。
3 また、有期雇用の派遣労働者に対する雇用安定化措置として、3年の上限に達した際に、派遣元は、@派遣先への直接雇用の依頼、A新たな就業機会(派遣先)の提供、B派遣元での無期雇用、Cその他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置、のいずれかを講ずるとする。
 しかし、@は実効性が乏しく、Aも他の派遣先が存在しなければ十分な措置とはなりえない。さらに、Bであっても、派遣先がなければ整理解雇の対象とされる。そもそも、いずれの措置も講じない場合の私法的効果は付与されていない。
したがって、改正法の規定する雇用安定化措置は、いずれも極めて不十分であるといわねばならない。 4 以上のように、この改正案は、常用代替防止の原則を事実上放棄し、さらには派遣労働をはじめとする非正規雇用労働者の増大や正規雇用労働者の非正規化をもたらすものである。
 また、低賃金・不安定雇用という派遣労働者の身分を固定化し、かつ一層不安定なものとするものであり、格差と貧困を拡大することにつながるものである。
 よって、当会は、今回の改正法の内容は到底容認できず、改正には強く反対するものであり、本法案の廃案を求める。

2014年(平成26年)4月15日
岐阜県弁護士会
会長 仲松 正人
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