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暴力団から不動産を奪うための法整備に関する提言

暴力団関係者から不動産の所有権を奪う法制度を設けるべきです。

1 地方自治体の取り組み
 暴力団関係者が不動産を取得した場合、暴力団事務所等の使用差し止めをすることはできても、その所有権を奪うことまでは法的には困難です。その他、住民運動を、周辺住民の人格権が侵害されていることを強く示すとともに、暴力団関係者にプレッシャーを与えて、不動産を手放す(任意売却)ように展開していく必要性があります。しかし、住民運動については大きな勇気を必要とするほか、買い取りをするための一定の資金が必要となります。
 資金が調達できないために暴力団事務所を買い取ることができなければ、暴力団追放運動の意義が薄れてしまいます。広島県世羅郡世羅町や福岡県久留米市の事例のように、地方公共団体が、自らが主体となって、暴力団事務所を買取ることや、補助金を出すことができるような制度を設計しておくことが求められます。宝塚市や豊岡市のように暴力団対策基金条例を設けるべきです。
2 国の取り組み
 また、一歩進んで、暴力団関係者から不動産の所有権を奪う法的制度を設ける必要があります。暴力団関係者が取得した不動産については、犯罪収益により取得した不動産であると推定して、没収する規定を設けるべきです。
 組織犯罪処罰法に基づく没収等(没収保全命令等)は、暴力団関係者から不動産の所有権を奪うための法的手段としては有効ですが、犯罪収益により取得したものかどうかという点について証明することに困難な点もあります。
 この点に関連して、イタリアでは、マフィア的犯罪結社及び財産に関する予防処分処置法による没収制度があり、マフィアに所属している者及びマフィアに所属していると疑いのある者の所有している不動産などの資産は、犯罪収益によるものであると推定されます。そのため、犯罪収益でないと反対に証明しない限りは、その不動産などの資産が没収され、公共の施設として活用していくという法制度になっているようです。
 日本においても、イタリアの法制度を研究し、暴力団の所有している不動産などの資産は、犯罪収益によるものであると推定して、没収保全命令等が発令される制度、没収等の刑事裁判が宣告される制度が設けられるべきです。

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