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安全保障関連法案の強行採決に強く抗議する会長声明

2015.07.27

政府・与党は、安全保障関連法案に関する採決を、今月15日衆議院平和安全法制特別委員会において、そして翌16日には衆議院本会議において、それぞれ強行した。
 しかしながら、安全保障関連法案は、憲法第9条の恒久平和主義、国民主権の基本原理、立憲主義の理念に著しく違反するものであり、今国会での審理の過程において、その違憲性、危険性が一層明らかとなったものである。
 すなわち、自民党が推薦した参考人を含む憲法学者3人がともに「違憲である」との見解を表明し、元内閣法制局長官らも違憲ないし違憲の疑いが強いとの意見を述べた。さらに、全国の憲法学者の9割以上、研究者・学者が1万人以上も「違憲であり廃案を求める」などの意見を表明している。
 また、全国の地方議会は、与党に属する議員が多くを占めているにもかかわらず、300を超える地方議会で「法案の廃案」あるいは「慎重審議」を求める議決がなされるなどしている。
 そして、全国各地で、日々、何千人あるいは何万人もの人々が集まって、安全保障関連法案に反対する集会やパレードが行われ、20代以下の若い人々も含め全ての世代で「安全保障関連法案反対」の声があがっている。
 こうした世論の高まりにより、報道機関の世論調査によれば、国民の過半数が政府の説明は不十分であり、今国会での成立に反対するとの結果がでている。
 実際、安倍晋三首相自身が、7月15日の衆院平和安全法制特別委員会において、安全保障関連法案について「まだ国民の理解は進んでいる状況ではない」と述べ、政府の説明が不十分であることを認め、元防衛大臣の石破茂地方創生担当相も7月14日の記者会見で「国民の理解が進んでいるとは言えない」などと述べている。
 このような中で、政府・与党が同安全保障法案の強行採決をしたことは、国民主権に反し、立憲主義にも反するものであって到底容認することはできない
 したがって、岐阜県弁護士会は、今回の採決の強行に断固抗議するものである。そして、当会が先に決議した「憲法に違反する安全保障関連法案には強く反対する」旨の総会決議のとおり、政府・与党に対し、安全保障関連法案の速やかなる撤回・廃案を求めるものである。

2015年(平成27年)7月27日
岐阜県弁護士会
会長 森   裕 之
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