岐阜県弁護士会

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商品先物取引についての不招請勧誘禁止撤廃に反対する会長声明

2013.11.11

本年6月19日、第183回国会の衆議院経済産業委員会において、証券・金融・商品を一括的に取り扱う総合取引所での円滑な運営のための法整備に関する議論の中で、内閣府副大臣は、「商品先物取引についても、金融と同様に、不招請勧誘の禁止を解除する方向で推進していきたい」と答弁した。
 この答弁は、総合取引所において商品先物取引業者に対して監督権限を有する金融庁が、同取引所における商品先物取引に関する法規制について、不招請勧誘禁止の撤廃を検討していることを示すものであるが、これは、昨年8月に産業構造審議会商品先物取引分科会(以下、「分科会」という。)が取りまとめた…

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民法(債権法)の全面改正に反対する会長声明

2013.10.22

1 平成25年2月26日開催の法務省法制審議会の民法部会において,「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」(以下「中間試案」という。)が決定されたが,これに基づく民法(債権法)の全面改正について,当会の意見を述べる。
2 民法典は,わが国の民事秩序を支える基本法である。このような基本法を大幅に改正すれば国民の日常生活や経済活動に及ぼす影響が大きいのであるから,その改正にあたっては,まず改正について社会全体の意見を募り社会的必要性(立法事実)を慎重に見極めた上で,改正の是非を議論するべきである。
 ところが,今回の改正は,学者や法務省職員を中心とする…

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平成25年度予算案で示された生活保護基準の大幅引下げに強く反対する会長声明

2013.04.15

現在衆議院に於いて審議されている平成25年度予算案(以下「本予算案」という。)は,生活保護の生活扶助基準額を平均6.5%,最大10%引き下げる内容が含まれ,これによって生活保護世帯の96%について受給額が減るという。1950年の現行生活保護法制定以来,生活保護基準が引き下げられたのは2003年度(0.9%)と2004年度(0.2%)の2回だけであり,今回の引下げは前例を見ない過去最大の規模である。
 本予算案は,生活扶助基準の見直しによって3年間で総額670億円,うち90億円は「生活保護基準部会における検証結果」を踏まえて,うち580億円は「前回見直し…

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憲法第96条の発議要件緩和に反対する会長声明

2013.07.09

1.日本国憲法第96条は,「この憲法の改正は,各議院の総議員の三分の二以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には,特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において,その過半数の賛成を必要とする。」と定めています。
 ところで,自由民主党(以下「自民党」という。)は,2012年4月27日,日本国憲法改正草案を発表し,第96条の改正規定を,衆参各院の総議員の過半数で発議するように変更しようとしています。そして,この7月に実施される参議院議員選挙の公約としても,発議要件の緩和を掲げています。また,日…

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厚生労働省のとりまとめ案の撤回を求め、生活保護基準の引き下げに強く反対する会長声明

2012.11.28

1 政府は、本年8月17日、「平成25年度予算の概算要求組替え基準について」を閣議決定した。そこでは、「特に財政に大きな負担となっている社会保障分野についても、これを聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化を図る」との方針が強調されている。また、厚生労働省が公表した平成25年度の予算概算要求の主要事項では、「生活保護基準の検証・見直しの具体的内容については、予算編成過程で検討する」とされている。そして、本年10月5日に開催された社会保障審議会生活保護基準部会において、厚生労働省は、第1十分位層(全世帯を所得階級に10等分したうち…

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個人保証の原則廃止を求める意見書

2013.02.21

第1 意見の趣旨
個人保証は、保証人の経済生活に重大な影響を及ぼす可能性があることから、古くから警鐘を鳴らされ続けている契約類型である。にもかかわらず、主債務者との情誼から個人が保証人となることが絶えることはなく、近時も破産などの多数の被害を生じさせている。
 この点、保証人の責任を軽減させるために裁判実務でも幾多の努力が重ねられているが、なお不十分と言わざるを得ない。
 個人保証被害の抜本的な救済のためには、情誼性に基礎を置く前近代的な個人保証制度を原則として廃止する必要がある。また、個人保証が例外として許容される場合においても、その被害の拡大を…

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改正貸金業法の完全施行後2年を迎えての会長声明

2012.07.06

深刻な多重債務問題解決のために、2006年(平成18年)12月に改正貸金業法が成立し、出資法の上限金利の引下げ、収入の3分の1を超える過剰貸付契約の禁止(総量規制)などを含む同法が、2010年(平成22年)6月18日に、完全施行された。
 その後2年を経過した現在、5社以上の借入れを有する多重債務者が法改正時の230万人から44万人に激減し、自己破産者は17万人から10万人に、多重債務による自殺者は1973人から998人に半減するなど、同改正は多重債務問題解決のために大きな成果を上げている。
 当会も、2009(平成21)年10月に「改正貸金業法の早…

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関西電力大飯原子力発電所の再稼働に反対する会長声明

2012.06.04

2011年3月11日の東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所(以下、原子力発電所を「原発」という。)事故は、国民の多くが信じてきた原子力安全神話が崩壊していることと、原発事故による被害の広範さや深刻さを強烈に示した。現在、我が国は地震活動期に入ったといわれており、今後も大きな地震の発生が続く可能性がある。福島第一原発事故のような事故が再発すれば、日本社会は崩壊しかねない。このような深刻な原発事故災害を二度と発生させてはならない。
 そのためには、現行の安全設計審査指針等の安全基準を、少なくとも福島第一原発事故の原因を踏まえたものに改訂し…

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秘密保全法制定に反対する会長声明

2012.04.27

 「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」が平成23年8月8日付けで発表した「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下「報告書」という。)を受けて、政府は秘密保全法案の策定を進めてきた。今通常国会での同法案上程が見送られたとの報道はあるも、同法案が国会に上程されることが予想される。
 しかし、報告書の内容は、以下のように、知る権利をはじめとする基本的人権及び憲法上の諸原理と正面から衝突する多くの問題点を有しており、極めて問題である。

1 立法を必要とする理由を欠くこと

報告書では、秘密保全法制の必要性の根拠として…

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岐阜中署における睡眠導入剤使用に対する会長声明

2011.08.08

本年7月12日,岐阜県警察監察課は,岐阜中警察署(以下「中署」という。)の留置管理に携わる警察官十数人が,同署に勾留されている被留置者に対して,場内の秩序維持等を目的として,医師の処方外の睡眠導入剤をお茶に溶かし,被留置者に説明せずに飲ませていたと発表した,との報道がなされた。
 この問題については,岐阜県警察本部において事実関係を調査中との事であるが,事実であれば,被留置者の体調,健康状態,精神状態などに悪影響を及ぼす危険があり,被留置者の基本的人権を侵害する行為である。また,被留置者に対してこのような行為がなされたことは,被留置者の取り調べをはじめ…

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「法曹の養成に関するフォーラム」の公開を求める会長声明

2011.05.19

本年5月13日、政府は「法曹の養成に関するフォーラム」の開催を発表した。
 フォーラムにおいては、司法制度改革の理念を踏まえ、法務省及び文部科学省による「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」の検討結果(平成22年7月6日)と司法修習給費制の1年間の延長を決めた裁判所法一部改正の際の衆議院法務委員会決議(同年11月24日)に基づき、【1】給費制の存廃問題を含む法曹養成課程への経済的支援の在り方、【2】法曹人口問題を含む法曹養成制度全体の在り方が検討されることとなっている。
 フォーラムは、次代を担う法曹をいかに養成するかという点について議論するも…

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司法修習生に対する給費制の継続を求める会長声明

2011.03.08

2010(平成22)年11月26日、司法修習生に対する修習費用の貸与制の施行を1年間延期する「裁判所法の一部を改正する法律」が国会で可決され、成立した。これにより、新64期司法修習生に対し、従前と同様に修習費用の給費制が実施されることとなった。
ところで、今回の法改正は、今後1年間に限り給費制を延長するというものであり、その間に、「個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。」とされ、「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措…

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子ども・子育て新システムに関する会長声明

2011.03.07

【1】2010年6月29日、「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」(以下、「要綱」という。)が政府の少子化社会対策会議で決定された。
要綱に基づく「子ども・子育て新システム」(以下「新システム」という。)に関する法案は、子ども園の創設による幼保一体化、及び現行保育制度の大幅な変更等を内容とし、2011年通常国会に提出、2013年度の施行を目指すとされている。
要綱では、新システムは、「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会」を実現することを目的とするものとされている。そうした社会を真に実現するために必要な制度を構築して…

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全面的国選付添人制度の実現を求める会長声明

2010.07.27

少年審判手続きにおいて、弁護士は、「付添人」という立場で、裁判所の事実認定や処分決定が適正に行われるよう少年に対し必要な法的援助を行い、また家庭や学校等の環境調整を行うなど少年の立ち直りを支援する活動を行っている。心身ともに未成熟であり、また取り巻く環境に恵まれていない非行少年に対し、法的な援助・支援を行う弁護士付添人の必要性は極めて高い。とりわけ少年鑑別所で身体拘束を受けた少年は、成育歴や家庭環境に問題を抱えていることが多く、少年院送致等の重大な処分を受ける可能性も高いことから、付添人による法的援助の必要性は非常に高い。わが国が批准している子どもの権利…

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高校無償化法の平等な適用を求める会長声明

2010.07.27

1.2010(平成22)年4月1日,「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(以下,「高校無償化法」という)が施行され,いわゆる高校無償化制度が開始された。
高校無償化法は,公立の高等学校については授業料を不徴収とし,私立学校等については一定額の就学援助金を助成するというもので,中等教育の漸進的無償化を求める「子どもの権利条約」28条や「国際人権規約(社会権規約)」13条の趣旨に沿うものであり,評価できる。

2.ところで,高校無償化法の対象となる「高等学校等」には,「高等学校の課程に類する課程を置くものと…

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司法修習生の修習資金貸与制実施の延期に関する声明

2009.08.19

200万人を超える深刻な多重債務問題の抜本的解決を目指して、国会の全会一致をもって2006年12月に改正貸金業法が成立した。改正法は、出資法の上限金利の引下げ、収入の3分の1を超える過剰貸付契約の禁止(総量規制)など画期的内容であるものの、施行後3年が近づいているにもかかわらず、政府は同法の完全施行の目途を明らかにしていない。

 更に、一部においては規制強化の結果消費者金融の成約率が低下していることや、特に昨今の経済危機や一部商工ローン業者の倒産などによって資金調達が制限された中小企業者の倒産が増加していること等を殊更強調し、改正貸金業法の完全施行…

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アスベスト対策を求める会長声明

2009.06.15

石綿の有害性や石綿による健康被害が認識されて以来、被害者救済制度の整備、石綿に対する規制強化など、石綿問題を取り巻く状況は進展を見せている。
岐阜県においても、羽島市にある(株)ニチアス羽島工場周辺地域で、これまでに環境省による石綿健康リスク調査や、大阪府立公衆衛生研究所の石綿関連疾患に関する疫学調査が行われ、2008年10月に疫学調査報告書が発表された。
環境省による健康リスク調査では、(株)ニチアス羽島工場の周辺住民に、石綿を吸い込んだ人特有の胸膜プラーク等の所見が多数認められ、また、大阪府立公衆衛生研究所の疫学調査では、周辺地域住民の肺がんによ…

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消費者庁の創設及び地方消費者行政の充実を求める会長声明

2008.06.10

食の安全に対する信頼を大きく揺るがした毒物混入餃子事件,続発した一連の食品偽装表示事件,こんにゃくゼリーによる窒息死事件,多数の被害者を出した英会話教室の倒産事件,手口を替えては繰り返される悪質商法,全国で200万人近く存在すると推定される多重債務問題等,消費者の安全と安心を脅かす事件・事故は後を絶たない。
 岐阜県においても,集団消費者被害事件が,クレジット・悪質商法関連事件を主として毎年のように発生している。また,消費者相談の数は県の窓口に寄せられた数だけでも年間1万件を超えており,潜在的な被害者数はこれを遥かに上廻るものと思われ,市民の身近に存在…

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検察審査会の統廃合に反対する会長声明

2008.06.10

最高裁判所は、本年1月、全国201ヶ所の検察審査会のうち、過去20年間の平均年間事件数が1件未満の50ヶ所を廃止し、14ヶ所を増設する再編案を発表し、法務省は、その再編案を内容とする「検察審査会の名称及び管轄区域等を定める政令の一部を改正する政令案」をパブリックコメントに付している。この案によると、現在、岐阜県内に岐阜検察審査会、大垣検察審査会、多治見検察審査会、高山検察審査会の4ヶ所の検察審査会があるところ、高山検察審査会が岐阜検察審査会に統合されて県内の検察審査会は3ヶ所に減少することになる。
 この統廃合の理由は、検察審査会を事件数に応じて再配置…

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自衛隊イラク派兵違憲判決に関する会長声明

2008.05.20

1 本年3月7日,政府は少年法改正法案を閣議決定し,通常国会に提出した。
この改正法案は,犯罪被害者等の少年審判への傍聴を認めることや,記録の閲覧・謄写につき,その要件を現行法よりもさらに緩和することなどを内容としている。
犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図る目的自体は理解できるが,今回の改正内容は,少年法の理念に反するばかりでなく,被害者等が求める真実発見,真相究明にも悪影響を及ぼすものである。
2 少年法は,非行を犯した少年の健全育成を目的とし,少年を立ち直らせ再び非行に走ることがないことを目指している。このことは,新たな被害の発生をくい止…

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