岐阜県弁護士会

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成年後見制度の利用の促進に関する法律に対する会長声明

2016.12.05

1 2016年4月8日、第190回通常国会において、成年後見制度の利用の促進に関する法律(以下「法」という)が成立し、これに基づく民法の一部改正が行われた。
 2 同法は、成年後見制度が、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより、財産の管理や日常生活に支障がある者を支える重要な手段であるにも関わらず、十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進に関する施策を、総合的かつ計画的に推進することを立法趣旨にしている。
 超高齢社会がますます進んでいく中で、認知症高齢者もさらに増加していくこと、知的障害者や精神障害者の親亡き後の問題…

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憲法に緊急事態条項を創設することに反対する会長声明

2016.10.04

1 2012(平成24)年4月に自民党が公表した日本国憲法改正草案(以下「自民党改憲草案」という。)には、緊急事態条項(第98、99条)が盛り込まれている。しかし、以下に述べるように、かかる緊急事態条項は、立憲主義の趣旨に反するものである。
 2 自民党改憲草案の緊急事態条項は、いわば行政に立法権を付与するものであり、国民主権・議会制民主主義・権力分立という憲法秩序が停止されることにより、政府への権力の集中と強化をもたらし、その結果、権力の濫用により国民の自由や権利が侵害される危険性が高い。加えて、緊急事態条項があるために、裁判所の違憲立法審査権による…

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消費者庁・国民生活センター・消費者委員会の地方移転に反対する会長声明

2016.02.08

政府は、「まち・ひと・しごと創生本部」に「政府関係機関移転に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という)を設置し、本年3月には基本方針を決定することとしている。その中で、徳島県からの提案を受け、消費者庁の全部(内閣府消費者委員会を含む)と国民生活センターの全部を同県に移転することが検討されている。
 しかし、当会は、以下の理由により、消費者庁、国民生活センター及び消費者委員会の地方移転に反対する。
1 はじめに
 政府関係機関を地方に移転する取り組み自体は、地方の活性化等に資する場合もあると思われ、当会としては、そのような取り組みの全てに反対する…

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夫婦同姓の強制及び再婚禁止期間についての最高裁判所大法廷判決を受けて民法における差別的規定の改正を求める会長声明

2015.12.17

最高裁判所大法廷(寺田逸郎裁判長)は,昨日,夫婦同姓を強制する民法第750条について「合憲」とし,同条は憲法第13条,憲法14条1項及び憲法24条に違反しておらず,立法措置をとらない立法不作為も違法の評価を受けるものでないと判示した。一方,女性のみに6か月の再婚禁止期間を定める民法第733条については,立法不作為の違法は認めなかったものの,100日を超える再婚禁止期間を設けた部分について「違憲」とし,同条は憲法第14条1項及び憲法24条2項に違反しているとした。
 民法第733条の再婚禁止期間のうち100日を超える部分を違憲であるとした点については,再…

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司法修習生に対する給付型の経済的支援を求める会長声明

2016.01.20

司法制度は、社会に法の支配を行き渡らせ、市民の権利を実現するための社会的インフラであり、司法修習は、この司法制度を担う人材を育成する制度である。
 したがって、有為な人材の確保が不可欠であり、経済的な理由で法曹となることを断念することがないよう公費をもって養成することが重要である。
 わが国では、こうした司法修習制度の重要性に鑑み、終戦直後から司法修習生に対して給与が支払われてきたが、2011年11月から給費制が廃止され、修習資金を貸与する制度(貸与制)に変更された。
 近時、法曹を目指す者は、年々減少の一途をたどっているが、この原因の一つとして経…

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安全保障関連法案の参議院での強行採決に抗議する会長声明

2015.10.13

政府・与党は、2015(平成27)年9月19日未明、安全保障関連法案(以下、「法案」という)を参議院で強行採決した。
 当会は、参議院での採決に先立つ平成27年9月14日、参議院での法案の採決に反対する会長声明を発表しており、今般、参議院で強行採決がなされたことに強く抗議するものである。
 これまで、当会は、今回の法案に対し、立憲主義と恒久平和主義を守る観点から、平成27年5月25日の定期総会において法案に反対し廃案を求める決議を行い、衆議院において法案の採決が強行された際には、これに強く抗議する会長声明を発表(平成27年7月27日)してきた。
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安全保障関連法案の参議院での採決に反対する会長声明

2015.09.14

与党は、安全保障関連法案(以下「法案」という。)に関する採決を、平成27年7月16日に衆議院本会議において強行した。法案は参議院に送られ、現在、参議院において審議が行われている。
 報道によれば、政府・与党は、平成27年9月17日にも参議院特別委員会で採決を強行し、その後本会議でも採決を強行しようとしているとのことである。
 当会は、立憲主義と恒久平和主義を守る観点から、平成27年5月の定期総会において、上記法案に反対し廃案を求める決議を行い、その後も、街頭での広報や市民向け学習会の開催などによって法案の廃案を求める活動を行ってきた。
 この法案に…

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安全保障関連法案の強行採決に強く抗議する会長声明

2015.07.27

政府・与党は、安全保障関連法案に関する採決を、今月15日衆議院平和安全法制特別委員会において、そして翌16日には衆議院本会議において、それぞれ強行した。
 しかしながら、安全保障関連法案は、憲法第9条の恒久平和主義、国民主権の基本原理、立憲主義の理念に著しく違反するものであり、今国会での審理の過程において、その違憲性、危険性が一層明らかとなったものである。
 すなわち、自民党が推薦した参考人を含む憲法学者3人がともに「違憲である」との見解を表明し、元内閣法制局長官らも違憲ないし違憲の疑いが強いとの意見を述べた。さらに、全国の憲法学者の9割以上、研究者…

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少年法の適用年齢の引き下げに反対する会長声明

2015.07.09

公職選挙法の選挙年齢の改正に伴い、自由民主党は、「成年年齢に関する特命委員会」を設置し、少年法の適用対象年齢の引き下げに関し検討を始めた。
 しかし、法律の適用年齢を考えるにあたっては、それぞれの法律の立法趣旨に照らし個別の法律ごとに慎重かつ具体的に検討すべきである。選挙年齢に関しては、若者の意見を国政に反映させるという民主主義の観点から検討される問題であるのに対し、少年法の適用年齢は、非行を行った少年の更生のために、国家がどのような処遇を行うべきかという観点から考えるべきものである。よって、少年法の適用年齢を選挙年齢と合わせて考える必要性はない。

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労働者派遣法「改正」法案及び、労働時間法制「改正」法案に反対する会長声明

2015.05.18

1 政府は、本年3月13日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「派遣法改正法案」という。)を、さらに本年4月3日、「労働基準法等の一部を改正する法律案」(以下「労働時間法制改正法案」という。)を、それぞれ国会に上程した。
 しかし、当会は、上記各法案には、以下に述べるとおり重大な問題があることから改正に反対であり、各改正法案は廃案とすべきである。
2 派遣法改正法案について
(1)派遣法改正法案は、昨年3月に国会に上程されたものの、世論の反対の中で、条文の記載の誤りや衆議院解散などもあ…

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法曹人口政策の早期見直し及び法曹養成制度の抜本的見直しを求める会長声明

2015.02.19

法曹人口政策の早期見直し及び法曹養成制度の抜本的見直しを求める会長声明
 政府の法曹養成制度関係閣僚会議は、平成25年7月16日、司法試験の合格者数を年間3,000人程度としていた従前の目標を撤廃し、今後、あるべき法曹人口について検討することを決定した。そして、年間2,000人から2,500人程度で推移していた司法試験の合格者数は、平成26年度には約1,800人になった。
しかし、裁判所の新受事件数はここ数年間、減少傾向を示している。そのため、現状でも年間1,800人程度の司法試験の合格者数を必要とするほどの法的需要が存在する状況にあるとはいいがたい…

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商品先物取引法下における不招請勧誘禁止緩和に抗議する会長声明

2015.02.09

経済産業省および農林水産省は、2015年(平成27年)1月23日、商品先物取引法施行規則の一部を改正する省令(以下「本省令」という。)を定めた。
 当会は2014年(平成26年)4月5日付けで公表及び意見募集がなされた商品先物取引法施行規則案に対し、同月30日付け会長声明で反対する意見を表明した。本省令は、当初の公表案を若干修正し、同規則第102条の2を改正して、ハイリスク取引の経験者に対する勧誘以外に、顧客が65歳未満で、一定の年収若しくは資産を有する者である場合に、顧客の理解度を確認するなどの要件を満たした場合も不招請勧誘の禁止の例外として盛り込ん…

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「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)に反対する会長声明

2014.10.14

1 はじめに
 先の通常国会から継続審議となっている「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下「カジノ解禁推進法案」という。)の審議が、臨時国会で月内にも再開されると報道されている。
 カジノ解禁推進法案は,その目的を,「特定複合観光施設区域の整備の推進が,観光及び地域経済の振興に寄与するとともに,財政の改善に資するものであることに鑑み,特定複合観光施設地域の整備に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに,特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより,これを総合的及び集約的に行うこと」と定めている(第1条…

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集団的自衛権の行使容認などの閣議決定に強く抗議し、速やかな撤回を求める会長声明

2014.07.04

1.安倍政権は、7月1日、閣議決定をもって、集団的自衛権の行使容認などの解釈改憲をした。
 その閣議決定では、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合には、武力行使(集団的自衛権行使)ができるとした。さらに、自衛隊の海外派遣についても、「現に戦闘を行っている現場」以外であれば活動できるとし、後方支援は戦闘地域でも可能とするなどとした。
 また、安倍政権は、前記のことをもって「歯止めができた」などと強弁しているが、「密接な関係」と…

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改めて集団的自衛権の行使容認に強く反対する会長声明

2014.06.17

1 これまで政府は、一貫して、憲法第9条の下における自衛権の行使については、厳格な要件を課してきた。即ち、①我が国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)があり、②これを排除するために他の適当な手段がない場合に、③必要最小限度の実力行使に限って許容されると説明されてきた。そして、集団的自衛権の行使は、「自」衛権の名によるものの、武力攻撃を受けた「他」国を防衛するために軍事力を行使することを意味するから、憲法が許容する上記①の我が国防衛の範囲を超え憲法上許されないとしてきた。
 しかし、安倍政権は集団的自衛権の行使容認等に向けて、2013年12月に国家安全保障…

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商品先物取引法下における不招請勧誘禁止緩和に反対する会長声明

2014.04.30

経済産業省、農林水産省は、本年4月5日、「不招請勧誘規制に係る見直し」として、商品先物取引法施行規則(規則第102条の2)を改正し、ハイリスク取引の経験者に対する勧誘以外に、熟慮期間等を設定した契約の勧誘(顧客が70歳未満であること、基本契約から7日間を経過し、かつ、取引金額が証拠金の額を上回るおそれのあること等についての顧客の理解度を確認した場合に限る)を不招請勧誘の禁止の適用除外規定に盛り込むという同規則改正案(以下、「本規則案」という。)を公表した。
 しかしながら、そもそも平成21年7月の法改正(平成23年1月に法施行)で、商品先物取引に不招請…

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労働者派遣法「改正」に反対する会長声明

2014.04.15

1 政府は、2014年3月11日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「改正案」という。)を閣議決定し、同日、国会に上程した。そして、本通常国会において改正案を成立させたうえで、2015年4月から施行することを目指している。
2 この改正案は、①専門26業務の区別規制を廃止して、②無期雇用の派遣労働者であれば期間制限を撤廃し、③有期雇用の派遣労働者については、派遣労働者個人単位では同一の組織単位の派遣先への派遣可能期間は3年を上限とするが、派遣先単位では、3年ごとに過半数組合等の意見を聴取す…

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岐阜県における鳥獣被害対策のあり方についての会長声明―豊かな生態系を育み野生動物と共存するために―

2014.03.11

近年、特定の野生動物が増え過ぎたことにより農林業被害をはじめとする様々な環境への影響が問題になっている。岐阜県下における農林業被害額は年間4億円を超えるが、外来生物や鳥類などを除くとその7割以上がニホンジカ(シカ)、イノシシ、サルによるものである。
 中濃、西東濃地域などで鳥獣被害が増加している原因は、農村地域の過疎化に伴う耕作放棄地の増加や、ヒノキ、杉などの植林地の下草刈り等の手入れ不足により大型哺乳類の餌場が増えたことにある。加えて狩猟人口の減少や、人や飼い犬による野生動物の追い払いがなくなってきたことも要因となっている。
 このように野生動物の…

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行政書士法改正に反対する会長声明

2014.03.07

日本行政書士会連合会は、行政書士法を改正して、「行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立てについて代理すること」を行政書士の業務範囲とすることを要望し、そのための運動を推進している。これを受けて、早ければ本通常国会にも、行政書士法改正法案が、議員立法として提出される可能性がある。
 しかし、行政書士法を改正し、行政書士に行政不服申立代理権を付与することは、国民の権利利益を損なうおそれがあり、当会は、これに強く反対するものである。
 反対の理由は、以下のとおりである…

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集団的自衛権の行使容認に反対する会長声明

2013.12.12

日本国民は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し、」「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」(憲法前文)そして、憲法第9条第1項では、戦争を永久に放棄し、第2項で戦力を保持しない、交戦権も認めないと明言した。憲法前文や第9条は、非戦・非軍事の平和主義を宣言した点で世界の憲法の中でも先駆的な意義を有するものであり、ほとんどの国民は、これを支持して来た。
 憲法第9条の本来の意味からすれば、自衛権が存在することは当然としても、戦力や武力の行使を伴うこととなる自衛戦争の放棄…

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